公民的分野の学習に「経済単元」があります。人間が営む「生産活動」や「消費活動」などを学習対象としていますが、私は「生徒たちが経済の視点から、社会のあり方をみつめていくことが大切ではないか」と考えています。未来の主権者として、これからの社会を生き抜いていく上で、私はこの力を生徒たちに育てたいと考えています。
今回「労働環境」について扱いましたが、従来までの「終身雇用」と「年功序列賃金」に代表される正規雇用は大幅に減少し、逆にフリーターが大幅に増加しているのが現状です。この単元の最初に、正規雇用とフリーターについて一定の説明を加えた上で、「近未来の自分自身はどちらを選択するのか」ということを生徒たちに問いました。「派遣切りにあうのがいやだ」や「何となくフリーターでもいい」と安直に言っていた生徒たちも、学習を通して「近未来の自分自身の働き方」や「これからの社会のあり方」などを15歳らしい視点で見つめ直していました。中には率直に「勉強したからわかったことがたくさんあって、いい勉強でした。」という文章をまとめた生徒もいるなど、5時間の学習がとても意義深いものになったようです。
この学習の後、「財政(4時間)」「社会保障(2時間)」というふうに、「租税」のことも含めながら社会のあり方を考える学習が続きます。生徒たちの様子を見ていて、教科書の配列と逆行しますが、「『経済単元』の後に『政治単元』を学習した方が自然の流れなのではないだろうか」という思いを強く持ちました。
なお、「単元計画」及び「社会科通信『ピース』」を掲載しましたので、ご覧ください。
私の近未来
〜正規雇用とフリーター〜